木霊木とは

次世代へつないでいく、大地の歴史と日本の伝統

木霊木は、日本の伝統、そして本当に良い物の価値を後世へと受け継ぎたいという職人の想いからできあがった木製製品の小物です。

現代ではすっかり少なくなってしまいましたが、日本人は古くから住まいとして木を材料として使用してきました。木材というのは、四季のある日本にこそ最適な建材です。そもそも樹齢何百年、何千年という木もあるほど丈夫な材質ということだけでなく、風を通し、湿気を吸収し、蓄熱効果がある木材が、日本の住環境を快適に保ってきました。そして、日本の古くからの建造物にあるように、日本人は木材を扱う伝統的技術を磨いてきたという歴史があります。

木を材料として作られてきたのは家だけではなく、家具や小物においてもたくさんの木製製品が利用されてきました。しかし現代では、木を使用するよりも安価に、そして格段に早く大量に物を作ることが可能になりました。確かに木製製品は、丁寧に扱ってあげないと既製品に比べて耐久性が弱い場合があるのも事実です。しかし、たとえば本来人間の体と相性が良くない金属製品を使用せずに作るなど、それこそが職人の思いやりとこだわりの証です。樹齢の数より丈夫だといわれる木製の小物は、丁寧に使用することで50年先でもしっかりと使える製品です。

もちろん木製の小物を扱うブランドは他にもあります。しかし、その多くが材料として木材を仕様しているに過ぎず、生産の過程では効率化などのために様々な加工が施されていたり、機械を使用して作られています。きちんとした職人の手作業で作られている製品の場合、今度はどうしても価格が高くなってしまうのが一般的です。しかし木霊木では、使用する木材そのものにもこだわり、樹齢数百年という銘木を選んで使用しています。美しさや丈夫さはもちろん、職人の技術をしっかり取り込むことで、余計な加工を施していません。そして、一流の職人だからこそ余分な仲介コストをかけずに銘木を手に入れられるルートを持っているため、手が届く高級品を生み出すことを実現しました。

かつて日本の家で木の柱に子供の背丈を少しずつ刻んできたように、ときには使用していくうちについた傷さえも独特の持ち味として、長年使い続けていくうちに小物は持ち主の時間や歴史をも刻んでいくパートナーともいえるものです。便利なものが増える現代だからこそ、みんなが同じものを持つのではなく、愛着を持って長年使用していける「本当に価値のあるもの」の良さを木霊木を通して感じていただけるはずです。

日本では数千年も前から上質な銘木に職人の技術を施し、京都など古都で今でも見られるような伝統的な寺院などがいくつも建てられてきました。遺っている数々の歴史的建造物だけでなく、それを建ててきた職人の技術というのもまた貴重な日本の伝統文化のひとつです。しかし、今ではその技術を受け継ぎ伝統的な技法で建築を続ける職人は、全体の1%ほどしか残っていません。そんな伝統的な建築の現場で出る樹齢数百年という数少ない希少な建材の余り木などを通して、どうにかこの伝統文化と銘木を使った木製製品の良さをたくさんの人に伝えたい…木霊木にはそんな想いがたくさん詰まっています。